自担の舞台を観ました

愛唄を見に行けなくて、歌舞伎も見れなくて(シンガポールは行った)。なのでとても楽しみにしていた自担の主演舞台。
自分が忘れないための覚書です。いろいろ間違えてるところもあると思いますが悪しからず。
 
 
 
 
 
私的初日。晴天でセミが大声で鳴いてる、まだ梅雨が明けてない日。
 
新大久保駅は外国の雰囲気が色濃い街で、グローブ座までの道のりは1人だったので少しドキドキ。笑
突き当たりの信号を右に曲がって、道路沿いに歩いていくと左手にあるグローブ座。
自分の目で見たいとずっと思っていた大きな大きなポスターに、暑いことも忘れてしばし見とれました。
 
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初めて入ったグローブ座は、廊下から中を見るだけで「え、近!え!?これ大丈夫!?」って言っちゃうくらい小さな小さな空間で。客席はぐるっと180度、余すところなくステージと客席でびっしり。本当にどこから見ても舞台を楽しめる設計になってるのがいいなと思ったし、でもやっぱりなんとて近くて。笑 
 
ドキドキしながら席について開演を待ってたら、3分前には自然と静寂に包まれる瞬間。あれなんなんでしょうね。誰が何をいうわけでもなく、すっ と会場が無音になるの。
それにまたドキドキしてたら、静かに遠くから聞こえてくる雨音。で、幕が上がります。
 
 
 
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歌舞伎の時もだったけど、北山くんが出てくるまでは心臓壊れるんじゃないかってくらい凄いドキドキして緊張します。
毎年馬鹿の一つ覚えみたいにライブで北山くんを見たら「あ、北山くんってほんとにいるんだ…」って思うし、今回は舞台の前にすでにライブで北山くんが実在することを認識してたはずなんだけど、やっぱり心臓が耳の横で早鐘打ってるみたいにうるさかった。笑
 
 
 
あんちゃんでは割りとすぐに出てきてくれました。
初めて入った日は最初の立ち位置の真ん前のお席だったから うわっ て声が出そうになったりして。
 
間近で見る北山くんは顔が小さくて、横顔が綺麗で、腕や体つきがちゃんと男の人なのに線が細くて。(あの服の下にあんな筋肉が詰まってるなんて信じられない)
しばらく自分の頸動脈おさえてて(間近で北山くん見るときの自分の癖みたいなやつ)、勝手にしんどくなってました。
目の前にいるのにすぐローラーでどっか行っちゃったりしないんです。すごいよね、舞台って。笑
 
 
 
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凌くんという人物は、想像していた人物像とは真逆でした。
私が想像してたのは、父親を憎んで なんで帰ってきたんだよ!どのツラ下げて!!って、姉たちや母親を守るように父と対峙する役柄。冴に近いかな。
そういう意味では父親ももっと不遜な態度の人間なのかなと思ってたけど、それもまた違ってて。
 
最初から、まあ突然の再会に戸惑ってはいたけど、多分父親に会えたのが嬉しくて(眉を少し下げて見上げるようにずっと父親の動きを伺ってたのが印象的、姉2人のあとに自分に意識が向いた時の居心地の悪そうな表情もうまい)、自分が働いてる店に来るのも嫌がることなくむしろ電話番号なんて教えちゃって。働きたいって言い出した時も同じ、聞いとくよって。すごいお父さんっ子でした。
 
 
 
最後のシーンでも病気で家族のことを思い出せないお父さんに、思い出すまでそれをドキュメントとして撮り続けるって言ったよね。それってつまりお父さんのそばにこれからずっといるってことなんだな、もうお父さんを1人にしないんだなって 凌くんのお父さんへの気持ちが伝わってくるようで。
思い出すまでここにいろよ!って言葉も必死にお父さんを繋ぎとめようとしてるみたいでした。パパ、僕のこと思い出してよ、って子どもの凌ちゃんが泣いて縋ってるみたいでしんどかった。

子どもを忘れることより辛いことはないんだって。
 
 
 
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幼い頃の凌ちゃんは大人の事情なんてわかんないから、ある日急にいなくなった大好きなお父さんをずっと欲してたんだと思います。
でもお母さんに 一緒にいて と、やわい束縛で縋られたから、母親を見捨てることはできなくて。
1番強い自分の気持ちをおさえて、彼は母親の気持ちを優先しました。
そこはどうなんだろう…推測の域を超えないけど、勝手に北山くんとかぶせてしまって、そう思うとなんだかグッときてしまった。
 
 
 
私は長女なので、冴に感情移入してしまいます。あんなにしっかりしてないけど。

凌くんの言い分はわかります。でも冴の言い分もわかる。高校に行けなくて悔しくて辛かったのも本当、でも手伝いが嫌で家を出て行きたかったというのも本当。それってそんなに悪いことなのかな。遊びたい盛り、自分のために家を出たいって思うのはそんなに悪いこと?

凌くんは自分のしたいこと=いじめられてる学校から転校して大好きなお父さんのとこに行く、ってことを母親の縋りから諦めました。
つまりそこで自分よりも母親の気持ちを優先した。
姉2人が出て行く時に寂しがる母を見て、俺は行かないよってまた母親を優先。だからこそ自分の気持ちを優先した姉たちを許せなかったのかもしれない。
 
1番下の子って上の子たちと親とのやりとりをとても客観的に見てるなと思います。
姉と母親とのやりとりで母親が寂しい思いをしてるのを知ってるから、それを突き放せないんだろうなあ。

みんな出て行っちゃうわね。そうね。のやりとりの そうね、の優しい言い方がすごく好き。
凌ちゃんは好きなだけここにいていいのよ。うん。の うん。も死ぬほど可愛いし、切ない。
 
 
 
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最後は父親と凌の二人きりのシーンで終わります。
父は姉2人とはやはりそんなに早くうまくはいかなかったのかな。再婚はしないわよ、と当たり前のように言った母親、ああ見えて割り切ってるのかなとも思います。
 
だけど1人、楽しそうに父と話していた凌くんの笑顔がとても印象的でした。ほとんど一貫して難しい顔をしてたから、最後の最後に穏やかに笑う姿、「もう少し、あんちゃんって呼んでもいいか?」って聞く父に「…わかったよ」って言う優しい声。
その言葉を最後に、暗転。私的には見る人にその後の想像を任す、いい終わり方だなって思いました。
 
 
 
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あんちゃんは、それぞれの家族のやわい部分をつついてくるような作品でした。

家族は家族だからこそ言わない部分もあって、そこをぐっとおさえて一緒に住んでると思ってます。そういうやわい部分をこの舞台で明らかにされて、もちろん自分にも当てはまるところがあって、家族についても考えさせられる作品。
みやっちも言ってたけど、自分の家族に見てほしい作品だったな。そして見た後にどう思ったかを聞いて、話してみたい。小さい頃に言えなかったこととかも。
 
 
 
芹沢先生もすごいよかったー。私の周りでも芹沢先生ファンたくさんいる気がする。笑
笑いを取り、いい意味で息抜きをさせてくれました。

熱が入ってて、根はいい人なんです。
だけど母親の「凌を、うちの家族をかわいそうだと思うのをやめてくれませんか」って言うセリフにはハッとさせられました。
父親がいなくなってかわいそうな凌、だから劇の主役にして元気づけたい。
純粋な応援の気持ちなんだろうけど、でもそれって受ける側からしたらとてもみじめなんだろうなって思います。
人に良かれと思って善意を押し付けてないだろうか、って少し反省。
 
 
 
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ここからはすこし演出について。
 
野球ボールの使い方がうまいなと思いました。
野球ボールはお父さんと凌ちゃんの唯一のつながり。ある意味自分を鼓舞してくれる、お守りみたいなもの。
でもお母さんに縋られてどこにもいかないよ、っていう前に、眉をぐっと寄せてポケットにボールをしまうんです。そして苦しそうな、母親を優先した笑顔。

お母さんにその話をする時、ドアを開く前に大きく深呼吸するのもうまいと思ったなあ。
小さな凌ちゃんはいろんなことを我慢して、悲しくて切なくてかわいそうで愛しくて。
 
 
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今日も相変わらず凌ちゃんを抱きしめたい。凌くんも。好きだなー。
 
 
 
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カテコは終始北山くんでしたね。まあいろいろあったカテコでしたが()、舞台を観に来てくれたお客さんっていうのと俺のファン っていうのを足して2で割ったようなお手振りがらしくて好きだったな。
あれ、多分たいぴだったらもっと違ったんだろうなって思うんですけどどうでしょう。丁寧なお手振りしてそう。(行ったことないから知らないけど)
 
  
 
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北山くんはアイドルの仕事だけじゃなくてMCを頑張ってるし(現に最近「MC 北山宏光」をよく目にするのが嬉しい)、多分自分の可能性を狭めずにいろんなことに挑戦したいんだと思います。

だけどこんなに素敵な演技をする人だから、どうかまた舞台をやってほしいなって強く思います。だってこんなにも人の心に残る演技になるんだから。

一緒に入った他担の友達が、「みっくんっていつもいい役もらうね」って言ってました。確かになって、作品に恵まれてるというか。
だけどきっと北山くん自身が役と向き合って、いいものにしようって取り組んで、だからこそこんなに素晴らしい作品になるんだとも思います。

愛嬌があって、まじめで、ちゃんと実力もあって。だからこそ共演者さんやスタッフさんに愛されて、そして次の作品につながって行く。輪が広がる。
今の北山くんを作ってるのは間違いなく彼自身だし、それはきっとこの先もどんどん広がっていくんじゃないかな。
だからこそ何十年後も彼を見ていたい、応援させてほしいと思います。
ベンガルさんや荻野目さんに「みっくん」って呼ばれてるっていうの、すごく可愛かったな。
 
 
 
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たくさんの雑誌、休みのたびにあんちゃん関連。
 


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とっても忙しかった。でもその忙しさが幸せだったし、全力をかけた。
泣いて、笑って、たくさん心を震わせて。豊かになった気がするよ。ありがとう、主演舞台。
心のお土産をたくさん持って帰りました。
北山くんを好きになれて本当に幸せです。1ヶ月間おつかれさまでした。ありがとう、あんちゃん。
 
 
 
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